小林伴子 フラメンコカスタネット演奏の魅力

とカスタネットとちょっと歴史も

g01.jpgフラメンコとカスタネットは付き物と思われがちですが、実はフラメンコ舞踊の中でカスタネットが定番として付くのは女性の踊り手が踊る“シギリージャ”ぐらいです。
もちろんこれもカスタネットを打たないで踊る場合もあります。
カスタネットを演奏しながら踊れるようになるには、かなりの時間がかかるため、大人になってからフラメンコを始める日本人の間では、フラメンコ舞踊を習っていてもカスタネットを弾けない弾かない方が多くいます。
そして、カスタネットなんかいらないくらいフラメンコのリズムや音楽や踊りはそれだけで楽しいものです。
……。う~ん、……じゃカスタネットなんかいらないじゃない!という考え方も出来ます。そして現在そういう方の方が多いのです…。
…どの世界にもヘソ曲りが居るのです……ハイ、私です。




g02.jpgスペインでのカスタネットは民族音楽(民謡)の中で多く使われてきました。初めは貝がらだったり、木片だったりで。
中指にはめて2枚の板切れを打ち合わせたり、と原始的なものだったようです。
そんなカスタネットの先祖の時代を経ていつの頃からか親指に付けて他の4本の指を自由にするという大きな革命的変化があり、音の表現に大きな飛躍が起こりました。
細かい連続音、いわゆるフラメンコの中で言うカレティージャという奏法がスペインカスタネットの大きな魅力となったのです。
そしてカスタネットはスペイン音楽を踊るスペインクラシック舞踊の中では定番のツールとなって行きました。
そんな時代、当然フラメンコの中でもカスタネットの名手が大勢現れ、グラン・アントニオやルセロ・テナなどの超絶名演奏が数少ないですが映像や録音で残されています。


g03.jpg私がフラメンコを始めたのは、まだその人たちが現役で活動している頃でしたから、レッスンでは当然カスタネットのお稽古も行われました。
その後どんどんとスペインクラシックとフラメンコが分化していく中で、現在のカスタネット少数派の状況になって行きました。

さて、私はスペインのコンセルバトリオのスペイン舞踊科の師範資格を取得のためフラメンコだけでなくスペイン舞踊全般の体験をし、クラシコ・エスパニョール(スペインクラシック舞踊)も踊っていたため、日本で初めてのフラメンコ教則ビデオをパセオ出版が出すにあたり、カスタネット編の担当のお声がかかりました。
……なんで私がカスタネットなんだ?と思いつつも勉強のつもりで参加させてもらったのですが…。
人の行先きは分からないものです…。
あれやこれやとカスタネットに取り組んでいたら、リズムトレーニングのため習っていたドラムの影響などもあり、足音の組み合わせやリズムの組み合わせで、今までのクラシコからアプローチしたフラメンコカスタネットとは違うフラメンコ音楽としてのカスタネットの可能性が見えてきました。観客の方や私の生徒すら気が付かない私だけのマニアックな世界なのかもしれませんが、新しい音の組み合わせやリズムを本人は大いに楽しんでいるわけなのです。
ドラムやパーカッションの世界では当たり前に行われていることでしょうが、踊りながらカスタネット2拍子サパテアード(足音)3拍子とか、カスタネット3連符足8分音符とか無限の組み合わせの広がりを作っていくのが、今私にはとっても楽しいことです。
そんな私の作品のいくつかをこのホームページで紹介します。私の大好きなカスタネットの可能性を皆さんに知っていただければうれしいです


めてのフラメンコカスタネット(カスタネットの初歩の弾き方説明)

カスタネットのオスとメス

写真2.jpg写真1.jpg
フラメンコカスタネットは、2ケで、左右で1組です。 左右とも親指につけて演奏します。
カスタネットにはMacho(オス・男性)とEmbra(メス・女性)があります。
親指に当てる部分には切り込みがあり、切り込みの「深い」あるいは「本数が多い」方が女性、他方が男性です。

フラメンコカスタネットの正しいつけ方

写真3.jpg
左右とも親指の第一関節をはさんで、紐の一方を引きます。

カスタネットの正しい持ち方

写真14.jpg

フラメンコカスタネットの打ち方

普通利き手に女性、反対側に男性をつけます。

ta (タ)

写真4.jpg
左側男性を中指(中指+くすり指)で打つ単音をta(タ)という

pi (ピ)

写真5.jpg
右側女性を中指(中指+くすり指)で打つ単音をpi(ピ)という

pan (パン)

写真6.jpg
右両手同時にta(タ)とpi(ピ)を打つ

chin(チン)

写真13.jpg
左右の打ち合わせる音をchinと表わす。

choque(チョケとも言う)

写真12.jpg

ria (リァ)→連続するとCaretilla(カレティージャ)と呼ばれる

Caretilla(カレティージャ)
写真7.jpg写真8.jpg写真9.jpg写真10.jpg写真11.jpg


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右手の小指、くすり指、中指、人差し指での連続音をri(リ)、そこに連続して打つta(タ)の音を続けてria(リア)と表わし、これを続けてriariaria……と打つ。

スタネット動画

小林伴子Castanet演奏「砂の記憶」より -1


フラメンコ曲“カーニャ(Caña)”よりインスピレーションを受けた馬頭琴奏者 チ・ブルグッドさんが作曲しました。シルクロードに横たわる砂漠の砂、遺跡な どに思いを馳せて作りました。(2010年11月11日・東京草月ホール 小 林伴子フラメンココンサート「カスタニュエラ、カスタニュエラ…Ⅳ」より カス タネット:小林伴子、カンテ:アギラール・デ・ヘレス、ギター山﨑まさし、馬 頭琴:チ・ブルグッド)

小林伴子Castanet演奏「砂の記憶」より -2


フラメンコ曲“カーニャ(Caña)”よりインスピレーションを受けた馬頭琴奏者 チ・ブルグッドさんが作曲しました。シルクロードに横たわる砂漠の砂、遺跡な どに思いを馳せて作りました。(2010年11月11日・東京草月ホール 小 林伴子フラメンココンサート「カスタニュエラ、カスタニュエラ…Ⅳ」より カス タネット:小林伴子、カンテ:アギラール・デ・ヘレス、ギター山﨑まさし、馬 頭琴:チ・ブルグッド)

小林伴子Castanet演奏「シギリージャ(Siguiriya)」より


カスタネットを使って踊ることの多いカンテホンド(深い歌)の曲です。重々しく緊張感のあるリズム曲想が特徴です。
(2010年11月11日・東京草月ホール 小林伴子フラメンココンサート「カスタニュエラ、カスタニュエラ…Ⅳ」より 
カスタネット:小林伴子、カンテ:アギラール・デ・ヘレス、矢野佳子、ギター:フアン・ソト)

小林伴子作品「Castanetplay on the chair」ブレリア(Buleria)


イスに座り、Zapateado足音とカスタネットの音の組み合わせによるオリジナルなパフォーマンス。
(2010年11月11日・東京草月ホール 小林伴子フラメンココンサート「カスタニュエラ、カスタニュエラ…Ⅳ」より 
ギター:フアン・ソト、山崎まさし)